“先進国と途上国”ではない切り口を

近年のインターネット産業を中心とした技術革新によって、社会システムは劇的に変化してきました。その変化によって分散化がますます進んでいくと予想されますが、国際協力を考える上でも国単位ではなく個人単位で考える必要が出てきます。その際に捨てなければいけない概念が、”先進国と途上国”という切り口ではないでしょうか。今の世界はそんな単純に二極化できないですし、途上国の発展のために先進国の技術を駆使して現地の課題を解決するという姿勢も変えなければいけないと考えています。

では分散化した世界は何によって統合されるのでしょうか。1つのキーワードは”課題”であると考えています。貧困、エネルギー、食糧、水、地球温暖化、少子高齢化・・・どれも国単位の課題ではありません。それを解決したいと思う人々が国を越えてアクションを起こさなければならない課題であり、ネットワークによりそれができる環境が整いつつあります。弊団体としては持続的な開発目標(SDGs)におけるNo.4(教育)を中心に、「先進国と途上国」に変わる新しい切り口として、「都市と地方」という切り口でインフラの未整備とアクセスの悪さと言う2つの課題に着目し、これらを克服することで平等な教育を創出していくことを目指します。

 

What is FUJiNO Project ?

途上国の地方と日本の地方において、共通する課題を見つけ出しお互いの視点から解決策を見出していくというのが藤野プロジェクトの目的になります。東京と山梨の県境にある旧藤野町という里山地域を拠点に、アフリカのタンザニアと同じように移動図書館車を活用したプロジェクトを行っています。旧藤野町は神奈川県相模原市緑区に位置するのですが、実情は山梨県と東京都に挟まれた里山地域であり、途上国の地方と同じようにアクセスが良いとは言えず、インフラも都市ほど整っていません。ここを拠点に、今後の世界で生活する子ども達に必要な教育の形を考えていくことで、アフリカの地方にも共通する新しい社会と教育の形が見えてくるのではないかと考えています。

 

知的好奇心を刺激する寺子屋

これからの世界を生きる子ども達にとって、ICTスキルは必須であるというのが私たちの活動の根底にある考え方です。しかし、デバイス機器を1人1台持っており、インターネット環境も十分な日本の現状を見ていて気付くことがあります。それは、ICTスキルは重要であるもののそれだけでは不十分だということです。私たちは日々インターネットを使って何をやっているでしょうか。仕事やコミュニケーションに必要不可欠になりつつあるのと同時に、多くの時間を娯楽に費やしていないでしょうか。

私たちも含めてですが、今後の子ども達にとってとても重要なのがインターネットを使って何をしたいかという明確な目的を持つことだと考えています。その気になれば何でも調べることができ、誰にでもコンタクトを取ることができる環境でも、「何をしたいか」が見つかってなければ結局のところ無為に時間を浪費するだけです。自分が心から熱中でき、知的好奇心をくすぐり続けるものを見つけることこそ、今までもこれからも子ども達にとって必要なことなのではないでしょうか。そんな世界の広さと面白さを教えるために、移動図書館車を活用した寺子屋授業を展開していきます。地元で事業を展開している経営者、農家、パン屋、大工、アーティスト・・・面白い人たちに出会い話を聞き、ワクワクできるものを見つける機会を子ども達に提供していきます。

 

持続可能性を高める物販モデル

移動図書館車を回すためには、もちろんコストが掛かります。車体の維持費、燃料費、人件費、教材費・・・どんな活動にも必ずお金は必要なのです。地方行政においては、これらを税金を使って運用している地域が多いと考えられますが、移動図書館車の数も年々減っているという実情もあり、従来の方法とは異なる持続可能な方法を模索する必要性があります。

単純ではありますが、移動先で物販をするというのは最も分かりやすく簡単な方法の1つです。旧藤野町には、多くのアーティストや農家、そして独自の世界観とこだわりを持っている人々が多く住んでおり、街そのものが魅力で溢れています。これらの商品を”藤野ブランド”という形で昇華させることができれば、地域を周って教育機会を届けるのと同時に物販を行い収益をあげることができると考えられます。

 

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