非電化地域にもICT教育環境を創るために

日本で使われなくなったパソコンを集めてリユースし、途上国で活用するTASUKiプロジェクトのモデルが確立した時、そのモデルの延長としてソーラーパネルも同じように集めることができると考えました。まだ中古市場というものが醸成されていない段階ではありますが、日本の家庭にも少しずつソーラーパネルが増えてきており、今後はその廃棄などが課題になるだろうと考えていたからです。

最初にソーラーパネルの活用を考えたきっかけは、フィリピンで活動していた時に台風が原因で長期間の停電を経験したことでした。電気がない世界では照明を点けることはもちろん、パソコンやスマホを充電することもできません。デバイス機器は電気が安定して供給される環境でないと使うことは難しいし、そもそも電気が供給されていない場所では使えないということに改めて気付かされました。そして、そのような非電化地域で生活している10億人以上の人々のことを考えるきっかけになり、そんな環境下の子ども達にこそICT教育が必要なのではないかと感じました。

 

What is HIKARi Project ?

HIKARi Projectは、非電化地域でもパソコンなどデバイス機器を活用できるように、ソーラーパネルをリユースしてオフグリッド電源の仕組みを作るプロジェクトです。エネルギーの供給が不安定な地域や、非電化地域に住む子ども達にICT教育環境を整えていきます。

日本においてはエネルギー投資や脱原発などの文脈で語られることの多いソーラーパネルですが、その本質は脱集権型の分散化したエネルギーシステムだということにあります。火力や原子力のように1ヶ所で巨大なエネルギーを作り、それを巨大な送電網で届ける従来のモデルではなく、いわば地産地消のような形でエネルギーの自給自足を行うことができるということが重要なのです。この分散化という流れは、インターネットが発達して以降の現代社会のトレンドであり、それは先進国や途上国といったものを超えて共通する動きになっています。そして、自然エネルギーを使って自分達で電気を作ることができるという点でも、今後の地球環境保護のために重要なモデルと言えるでしょう。

 

電気の作り方を学ぶ

非電化地域の学校にICT教育環境を構築するため、オフグリッド電源による小規模なインフラを作るのですが、その際に子ども達に電気の作り方を教えます。10Wの小さなソーラーパネルと10Ahバッテリー、そしてコントローラーと電球をつないで点灯させるプログラムを実施することで、電気がどのように作られて電球を点灯させられるのか学びます。その過程でわざとショートさせるなどして、電気そのものを体感してもらい電気の扱い方を学んでいきます。

その上で、学校には120Wのパネルと80Ahのバッテリーを設置し、パソコンとプロジェクターを毎日2時間稼働させられる電力を生み出しますが、現時点における電気の使い方としては、教室の照明と先生の携帯電話の充電がメインになります。他校や生徒の親との連絡など、学校の先生にとって通信手段は必須なのですが、今まではわざわざ離れた街まで行って充電をしていたということで、学校で充電できるようになったことをとても喜んでいました。

 

藤野電力との協働

このような電気の作り方を教えるプログラムをはじめ、電気を作るための教科書作成などを日本の地方でオフグリッド電源を広める活動をしている藤野電力と協働しています。最初の出会いは2014年に遡りますが、藤野電力が持っているオフグリッド電源モデルをカスタマイズし、電気を作る実験を2015年以降にアジア・アフリカで行ってきました。

2017年から、アフリカはタンザニアの学校に導入するモデルを考え、まずは電気の作り方を教えるための教科書作りを行いました。そして、非電化地域の学校をオフグリッド電源によって電化させるというプロジェクトを実行し、2019年9月までにタンザニアの50校にこの仕組みを導入していくことを目指します。

 

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