遠隔地にもICT教育環境を創るために

アジア・アフリカの様々な国と地域にデバイス機器を届け、非電化地域にも対応するモデルを考えてきましたが、どの国でも地方には2つの共通する課題が立ちはだかります。それはインフラの未整備とアクセスの悪さです。前者については、オフグリッド電源によるICT教育環境を構築することで克服できると考えていますが、もう1つのアクセスの悪さという点について、遠隔地に住む子ども達にどのように教育を届けるかということが、平等な教育機会を創出するための大きな課題になります。

この課題を克服するためのモデル作りを、アフリカはタンザニアの山奥を対象に実施しています。教育内容は現地の特有の課題を踏まえたものを中心に行っているのですが、学校まで3キロの急な山道を登らないと通えない状況が普通であるタンザニアの奥地に住む子ども達にとって、継続的な学びの機会を創るということが主目的になります。

 

What is UHURU Project ?

UHURU Projectは、移動図書館を活用して途上国の奥地に住む子ども達に教育機会を届けるプログラムです。”UHURU”とはスワヒリ語で自立を意味し、現地の子ども達が自分達の将来のことを考えて行動できるようになるための思春期教育を軸に展開しています。アフリカのタンザニアでは州に1つしか図書館がないため、貧しい農村部の子どもたちは本に触れるために片道3時間の道のりを歩かなければなりません。このようなアクセスの悪い環境下では、継続的な教育を機会を得ることは非常に難しく、学習を断念せざるを得ないケースが多々あります。このような環境要因を克服するためのモデル作りを行っています。

 

助産師と一緒に行う性教育

タンザニアでは、56.7%の女の子が19歳までに最初の妊娠、出産を経験すると言われています。若年妊娠は死亡する危険性が高いだけでなく、学校に通っている生徒の場合は強制退学を余儀なくされ、妊娠による退学者数はタンザニア国内で年間8000人いると報告されています。彼女達の教育はそこで止まってしまい、その後の生活で重要な知識やスキルを得られないまま大人になってしまい、生活が困窮してしまうという状況が発生します。そして、そこに生まれた子ども達は貧困故に十分な教育が受けられないのです。

この悪循環を断ち切るために、学校における性教育プログラムを移動図書館で循環しながら行っています。日本と現地の助産師が協同で作成した教材を使い、さらに若年妊娠を実際に経験した若いお母さんを先生として招へいして授業を行うのです。

 

読書習慣と映像授業

もう1つ提供しているのが、読書とパソコン&プロジェクターを使った映像授業の機会です。前述した通り、タンザニアでは本にアクセスするのが非常に難しく、自身の将来に対しても広い視野を持つことができない子ども達がたくさんいます。そういった環境下で生活する子ども達に世界の広さ、面白さを感じてもらい、想像力を育むために読書習慣は非常に重要であると考えています。私たちは現地スワヒリ語の本を約200冊、英語の本6500冊を有する現地NGO New Rural Children Foundationと協働して、これらの本を定期的に読める機会を創っています。

また、同時にHIKARiプロジェクトで構築したオフグリッド型のICT教育インフラを活用し、パソコンとプロジェクターを活用した映像授業を同時に行っています。科学や地理といった科目においては、文章だけで理解するよりも映像を見せた方が格段に理解が深まります。それが電気が使えないような暗い教室であればなおさらのことです。学校の先生と話し合い、映像を活用した方が効果的だという教科を選び定期的に実施しています。

 

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